幕末〜明治維新にかけての書籍を読んでみて
以下四冊の本を一月を通して読んでみた。
『浅野総一郎』
『明治を創った男たち』
『明治維新1858-1881』
『武士の家計簿』
そこで、自分なりのこの時期とは何ぞや?!という回答を示してみた。
特徴1:複数人による国家形成
明治維新において薩摩藩、長州藩、土佐藩、会津藩などから多くの主要プレイヤーが出現した。
そして彼らそれぞれが公議・輿論・富国・強兵というテーマに想いを強めており、幕末期に形成されていた強い信頼関係からこの構造がプラスに働くことになった。
現代の中東・北アフリカ諸国における、同じ思想を持った集団による革命とは異なる形での革命であったと思われる。
特徴2:国民の教育レベル
幕末において、寺子屋、新聞、慶応義塾など高いレベルでの教育がなされていた。
また、士農工商という身分社会であっても算盤・会計といった分野では身分の違いが影響することが少ない実力社会であった。
こうした下地で、明治以降の実業界の活躍が見出だされたのであろう。
また、知識層同士の交流も多くなされており、明治における国家構想のイメージ共有、磨き上げがなされていたこともスムーズな新国家への移行を実現したのであろう。
特徴3:軍事力、金銭保持
幕末期には各藩が独立して、海外との貿易を行い(=藩の商社化)外貨を蓄積できた。
また、武器類も獲得するなど近代的な物資の獲得も行えた。
この蓄積と経験が、渋沢栄一、岩崎弥太郎、安田善次郎、浅野総一郎をはじめとした後々の実業界の発展に寄与したことは間違いない。
特徴4:国学の勃興とナショナリズムの爆発
本居宣長たちによる国学の研究は、古事記などの日本古来の歴史を市民の理解の範疇に発展させた。
そして上にも挙げた高い教育は、江戸民達に自分達の国民としてのナショナリズムを作り出す下地を与えてくれた。
各藩は独立した藩作りを行い、知識層による意見交換がなされ、藩ごとにリーダーがいた。(内的要因)
米ペリーを発端とした欧米諸国の連続した来航は、日本人のナショナリズムの爆発に繋がり、よりよい日本作りに向け、海外に左右されない能動的な活動が行われたのである。(外的要因)
これが明治維新であり、明治初期の日本という国の形成である。